CTAFTSMAN.22

農業が大好きだから
一生懸命つくる

北見市端野町の玉ねぎ農家

松枝 裕介さん

私たちは家族経営の農家で、70ヘクタール以上もの広大な農地を耕しています。この土地は平らではなく傾斜があって土も流されやすい厳しい環境ですが、農業が大好きで、地域の農地を守ることも大切に考えていたら、気付けば大規模な農地になっていました。昔から農業が大好きだった私は美幌農業高校を卒業してそのまま家業を継ぎました。今年で就農20年目を迎え、4代目として農業に携わっています。玉ねぎ、大豆、麦を栽培しており、私の夫婦、両親、姉と弟と、ほぼ3世帯のような人員で家族一丸となってこれらの作物の栽培に取り組んでいます。

でも、経営していくには様々な課題があります。特に人手不足と人材不足は深刻で、なかなか即戦力となる人材を見つけることができません。そこで私たちは、限られた労働力で効率よく作業を進めるために、大型の機械を積極的に導入しています。傾斜地での水害対策も重要で、土壌の流出を防ぎながら作物を守るために水捌けを良くする工夫をしています。
限られた人員ですが、伝統的な農業方法と最新の技術を組み合わせて地域の農地を減らさずに、むしろ規模を拡大してきました。就農した当初は、今の半分ほどの作業面積だったのですが、気が付けば倍になっていて、農地を減らしたくないという思いを持って大型機械の導入にも積極的に取り組んできました。

みずみずしくて生食にも向いている「サラダ玉ねぎ」、農薬の使用量などに独自の制限がある「特別栽培たまねぎ」も生産しています。これらの品種は全体の1割程度の生産量ですが、手間もかかります。食の安全を守るために防除の回数や堆肥の投入に気を配り、より自然に近い形での栽培を心掛けています。
農業が大好きなので、農地を守りながらも収量を落とさないように工夫しながら、これからも家族で一生懸命農業に取り組んでいきます。