CTAFTSMAN.04

繋がりを大切に、
地域のブランドを高める。

置戸町の畑作農家

有馬 慎吾 さん

大学卒業後一般企業に就職をしたのですが、農業を営む家族の姿や、今後の家業のことを考え、一年で退職し、農業を始めました。農業は大変というイメージはありましたが、実際に働いてみると農家は百姓と言われている通り、様々な仕事やたくさんの技術を身につける必要があります。仕事は大変ですが、冬は農作業自体は基本的には休みでメリハリとやりがいがある仕事と感じています。就農から11年目になり、来年には経営の継承を受ける予定です。

現在は、小麦、ビート(甜菜)、芋の畑作3品の他、大豆や置戸特産のヤーコンも生産しています。
その中で意識していることは土作りです。土は作物の品質はもちろん、大雨や台風などがあっても土が流出しにくくなるなど、生産の基盤になるものです。いかに肥沃な土をつくるかが大事で、作物を転用してつくる緑肥や、酪農家とも連携してつくる堆肥を豊富に使うことを意識しています。緑肥や堆肥の使い方や作り方も農家によって様々ですが、この地域は畜種の農家と耕種の農家が同等の戸数があり、堆肥の供給面では非常に強い結びつきがあります。
私たちは収穫後の小麦を酪農家に提供し、酪農家からは堆肥を提供してもらうというサイクルで、安定的にたくさんの堆肥を土に混ぜ込むことができます。
また、輪作体系をとることで、病害虫や雑草の発生を抑制し、土壌が長持ちし安定的な生産ができる取り組みを行っています
。緑肥や堆肥づくり、輪作の計画や施肥設計など、一つ一つの作業は地味かもしれませんが、積み上げていくことで大きな違いになります。同じ面積でも、1.5倍程生産量の差が出ることもあります。
恵まれた環境だからこそできる土作りや日々の積み重ねで、より良いものづくりに挑戦しています。

JAきたみらいでは、厳密な品質管理基準と管理体制があり、私たち農家も良いものを作ればきちんと評価を受けられる環境が整っています。出荷時に良い評価を受けることは経営上非常に重要なことですが、食べ物をつくる者として、「食べてくれた人に美味しいと感じてもらいたい」という気持ちが根本にあります。
JAきたみらいにはたくさんの農家がいて、たくさんの農家が芋や小麦といった共通の品目の作物を作っています。産地のブランドを高めるという目標を持って、できる限り美味しくより良いものを生産し、地域全体で産地を盛り上げていきたいです。消費者の「美味しいね!」が耕作のモチベーションに繋がっています。
オホーツクの農業は本州に比べると大規模で、多くの作業が機械化されていますが、置戸特産のヤーコンの生産はまだまだ手作業が多くあります。手で土を盛って苗を植えたり、収穫も手作業で、他の品目よりも生産は大変ですが、地場産でもある特産物を守りたいという気持ちで今も生産しています。
また、JAきたみらいには生産品目毎に専門部会があり、個々の品目ごとに専門的な知識や技術を共有することができます。生産だけのことを考えれば、そのようなつながりだけでも十分な技術が得られるかもしれませんが、それだけではない横のつながりも重要です。
また、若手のグループの組織である青年部では、同じ地域で農業に向き合う同世代の仲間がいます。彼らと視察や勉強会、地域の催事や食育、農業の発信などに一緒に取り組み、共に想いを共有し絆を深めています。
この地域でこの先ずっと農業を続けていく仲間と切磋琢磨しながら、農業を通じて地域にも貢献できるよう、これからも一つ一つを大切に農業を続けていきます。