CTAFTSMAN.21
次世代の子供達と農業のために
良い土を残していく
北見市端野町の玉ねぎ農家
川島 拓磨さん
私たちは、祖父母の代から主に玉ねぎを栽培している農家で、北見での玉ねぎ生産が始まったころ、農協が取り扱う以前から栽培を始めていました。玉ねぎ作りには歴史もあるので、品質の良いものを生産することにこだわりを持っています。地域全体では生産も減ってきている端野特産の「サラダ玉ねぎ」や、赤玉ねぎの「くれない」なども作っていて、近年では人手不足の影響もあり規模を増やしていくには課題もありますが、それでも私たちは美味しい玉ねぎを作り続けることを大切にしています。私たちの子供の世代にも、農業をやりたいという思いを持ってもらえるように、そして地域の農業が引き継がれていくようにしていきたいです。
私自身は高校卒業後、農業とは全く異なる分野に進みました。ですが親の世代が設備投資などをしっかりしてくれていて、それを大事に引き継いでいきたいと思うようになり、29歳の時に実家の農業を継ぐ決心をしました。今では農業をはじめて9年になります。前職は建設業で事務仕事が多かったのですが、今は農業で力仕事の大変さを体感しつつ、経営の難しさにも直面していますが、技術を身につけて、品質の良い玉ねぎを生産し食べてもらうことに尽力しています。
美味しい作物を作るには色々な要素が関わりますが、中でも土作りが重要なんです。雪を踏み固めて良質な土を作り上げるなど、将来、子供の世代に経営を引き継いでもらうための基盤作りも意識しています。
また、玉ねぎは肥料を使いすぎると品質が悪くなることがあるんです。面積あたりの収量も多ければ良いというわけではなく、最終的な歩留まりを考えながら収穫や肥料のことを考えて、土をしっかり見ていくことが重要です。みずみずしい玉ねぎを育てるのも、水のまきかたなど、工夫があります。
私たちはこれからも新しい技術を取り入れながら、美味しい玉ねぎを提供し続けることで、消費者に喜んでもらえると信じています。そして、次世代に良い農業を残せるよう、良い土づくりや、機械を使った規模の維持など、技術を磨いていきたいと思います。