CTAFTSMAN.09

兄弟で、
家族と地域農業を支えたい。

北見市美園の畑作農家

大武 弘幸さん

父の農業を引き継ぎ私で3代目になります。玉ねぎを中心にビート、小麦、スイートコーンを生産しています。私自身はもともとパティシエをしていて、13年前に地元にUターン就農しました。学生時代から自分が農業を継ぐことはあまり考えていませんでしたが、食に関わる仕事をする中で考え方が少しずつ変わり、国産の食を作ることへの重要性を意識するようになり、小さい頃から見てきた農業者になろうと決めました。実際に農業を始め、両親のリタイアなど将来のことを踏まえ経営体制を改めて考えた時に、弟の転職の話があり、一番近くで同じ家族経営を見てきた弟と一緒にやっていく事も選択肢では、と考え、声をかけました。大切な家族の将来や責任を負うのは大変な決断でしたが、弟自身も食に関わる仕事をしたいという思いを持っており、共に切磋琢磨し今は両親と私たちで農業をやっています。

私たちが住む地域は高齢化による離農も多く、できるだけ耕作放棄地を増やさず、地域の農業を維持していきたいという思いがあります。また、自分だけでなく今後弟家族が増えた時の働く受け皿として、確固たる経営基盤を築いていきたいという思いもあり、私が就農してから玉ねぎの面積を2倍ほど拡大し今後も面積は増やしていきたいと考えています。たくさんの設備の改良や設備投資などの判断を迫られることがありますが、地域の農業と家族も含んだ経営を考えると、迷う事なく、最も積極的な判断をすることができます。まだまだ若手である私たちの感性を活かして、スマート農業やブランド化など、未来に向けた体制づくりを進めていきます。

玉ねぎを中心に、私たちの生産する作物は日本の食料を支える重要な品目であり、安定的に品質の高いものを生産していく事が大前提ですが、消費者にとって重要な安心安全や、さらに高い品質の食味などまだまだ挑戦していかなければいけないことがあります。
また、時代に沿った品目選びも積極的に考えていき、大規模流通の中でも地域の農業のブランドが出来上がるよう、一人一人の顔が見えるものと考えて、責任ある生産を続けていきます。
弟も、まだまだこれからですが、本人も少しでも早く一人前になれるよう頑張っています。兄弟の信頼を大切に、責任あるものづくりを今後も続けていきます。