CTAFTSMAN.05

代々続くオホーツクの稲作
家族の支えとIOTで水田を守る。

北見市東相内町の稲作農家

畑中 優太 さん

農業は曽祖父の代からはじまり、その当時から稲作農家だと聞いています。当初は1haほどの面積だった水田も、今は約26haとなり、代々稲作を引き継いでいます。私の水田がある北見市の東相内地域では、農業者の高齢化に伴い、年々農家戸数が減っており、その水田を引き継ぐ形で作付け面積は拡大しています。
面積の拡大はその分管理作業が増えるが、家族と相談しながら数少ない稲作農家として、水田をこれからも守っていきたいと考えています。

私は高校卒業後、民間企業に一度就職し、その後就農しており、今年で6年目になります。小さい頃から祖父母が畑で働いている姿を見て育ち、自分もいつか農業をやってみたいという気持ちがありました。一度は就職し、サラリーマンとしても働きましたが、家族と働くことができる農業は体力的には大変なところもありますが、精神的にとても楽で、自分には合っているなと感じます。
初めの年は何もわからない中で父に叱られることも多く大変でしたが、ここ数年でようやく慣れてきました。父の指導から改めて発見することも多くなり、今はそういった経験値を最大限に吸収しているところです。
おかげさまで、日々変わっていく稲の様子や、トラクターを使った均平作業なども、だんだんと楽しめるようになってきました。

米を作るのに一番大切なのは水田に通す水の管理です。
特に気温や天候に合わせて水位をコントロールすることは経験や判断力が重要です。26haある水田を、生育に適した環境に整えることは大変で、状況を正しく把握するだけでも1~2時間ほどかかります。また、夜に給水栓の確認をして、朝には様子を見て水位をコントロールしていきますが、水田間の水位のバランスを注視しながら調整していくことを心掛けています。
私はまだまだ勉強中で、多くの事を父から学んでいますが、実りの良い稲を作るには、寒い時は冷たい空気から水の毛布で守ってあげる必要があるし、暑い時は日光をたくさん浴びるよう水位を下げるなど、子供のように手間と気を配ることが大事だと学びました。

最近は農業の色々な場面でもIOTが活用されていますが、水田においても温度や水位のセンサーとしてIOTデバイスの導入が検証されています。
私の地域の一部の農家でもIOTセンサーが導入されており、苗の育成においても温度管理や水撒きなど自動化が進んでいます。水田の水位管理においてもIoTの遠隔確認で水田の状況を正確に把握することができれば、作業効率を高める事ができます。今後ますます増えていくであろうIOTの技術も、より良い生産、管理につながるものであれば積極的に導入していきたいと思います。

最近は稲の収穫量も上がってきており、良い生産ができていると感じています。
家族経営の農業で、私で4代目になりますが、これからも代々引き継がれてきた経験と水田を引き継いでいきたいと思います。
地域の水田を守りながら、時代に合わせた新しい技術も導入し、マイペースながらも稲作農家として農業を続けていくことが私の目標です。