CTAFTSMAN.02
食べる人を喜ばせたい、
この地域の農業の姿。
北見市大和の畑作農家
米森 弘 さん
今、私の畑では畑作4品(じゃがいも、ビート、小麦、豆類)を中心に農業をやっています。
この地では輪作の技術が発達していますが、土の性格は場所によって違いがあり、性格を見極めて異なる作物を毎年入れ替えて植えていきます。輪作をしていると、植えられた植物が、「久々にきた!」といって、喜んで見える時があります。そういう時は、作物が元気に美味しく育ちます。
土と作物を元気に育てるのはもちろんですが、作物ごとの栽培技術も大事です。例えば、じゃがいもは培土という土を盛って、その培土の中ですくすく育つ環境をつくるのですが、土が硬くなると育ちにくくなるので、できるだけ土が柔らかいときに培土を盛ってあげます。
農業は、いろいろな作業を丁寧にすることが重要ですが、作業に時間がかかってしまっては他の作業が滞ってしまいます。丁寧 さや迅速な作業も含めて栽培技術は進歩しており、培土も早く均一に盛っていくことが出来るようになりました。
また機械化によって、作業効率が上がることで、写真を解析してピンポイントで肥料を撒いたりと、様々なことに目が行き届き、さらに精度を上げた生産管理 ができるようになりました。
農業大生産地である北見の農家は、皆切磋琢磨しながら美味しいもの、良いものを作る努力を重ね、作物を全国に送り出していますが、手軽に食べられる野菜や品種など、産地だからこそ味わえる美味しさもあるので、ぜひ北見の農業の風景を見てもらって、ここで食べて、北見の農業の素晴らしさを知ってもらいたいです。
また、北見から出荷される作物は、生産者、流通業者などたくさんの人の努力で全国の食を支えていますが、そうやってたくさんの人の胃袋を満たしているという実感が何よりも嬉しくて、幸せなことです。私は北見市街地から少し離れた農村地域で農業をやっていますが、農業が地域そのものを作っていると感じます。農業がなければ、まち自体がなくなってしまう地域もたくさんありますし、農業がまちを支えていると思っています。たくさんの人に喜んでもらえるだけでなく、自分たちがまちを作っている、そんな実感と喜びがある職業なので、たくさんの人に農業に関心を持ってもらいたいですね。