CTAFTSMAN.01

歴史と団結の上にある、
日本一の玉ねぎ農場。

北見市仁頃の玉ねぎ生産者

米森  淳史 さん

北見の玉ねぎ生産は、約100年前に始まったと言われていて、私の家は本家の代も含め3代、玉ねぎ生産は40年以上になります。今は生産量が日本一ですが、地域で玉ねぎ生産が始まったころはゼロからのスタート、他の山地を目標にして皆で切磋琢磨し、ここまでの生産地に育ちました。
川の氾濫やひょう害といった自然災害も本当に脅威で、共済などが整備されていない時代は農業を続けること自体ままならなくなることも数多くありましたが、地域の農家の助け合いもあり、さらに生産組織も大きくなることで日本一の生産地になりました。

品質面でまず意識していることは、安全、安心を含め、消費者の方々に認めてもらえるものづくりです。味はもちろんですが、見た目の美しさも含め、消費者の皆さんに選ばれるものづくりができるようになるまでは本当に大変な道のりでした。最近は機械化も進み、効率的な作業は生産量増加だけではなく、時期や育成状況に合わせた最適な作業を可能にし、品質向上にも結びき、また、品質を支えるのは生産現場だけでなく、品種にも大きく関わっています。長い歴史のなかで培われた品種と、より美味しく、いいものを作りたい、という地域の生産者の意思が、全国の消費者に選ばれるものづくりに結びついています。
このような改善は一農家だけではなく、地域全体の農家が協力して成し得るものです。今でも講習会を開いたり、最新の栽培技術や新たな病害虫などの知識を皆で共有することで、品質を高める努力を続けています。これまでの歴史の中でもそうですが、地域の連携によって、困難を乗り越えより良いものを作ることができるのです。

北見の玉ねぎは生産量が日本一で、全国どこに行っても美味しく食べられることは当然になっていますが、昔はうまく仕上がらないものや腐敗も多かったんです。
そのような中で築き上げられた、ぎゅっと玉締まりのいい北見の玉ねぎ。 水分量が少なく、ぎゅっと実の締まった玉ねぎは、生で食べると辛みが強いのですが、本来持っている甘みが実はとても高いんです。加熱すると辛みがなくなり、甘さだけが残ってほっくりと甘く、しかも水分量がすくないので、加熱していく中でもべたっとなりにくい、まさに調理した時にこそ美味しく食べられる玉ねぎなのです。家庭ではもちろんですが、ぜひ日本一の北見玉ねぎを、北見市内の飲食店でも味わってほしいですね。